映画のはなし

映画の感想と考察。ヒーロー映画大好き。私はいつか世界のヒーローになりたい。

いつか使える!傑作アクション映画との出会い方

私はアクション映画なら大体好きだが、なんでも面白いという訳ではない。よく勘違いされる。だからと言って、その面白さを伝えようとするとうまくいかない。最近気づいたのだが、アクション映画って、他のジャンルと違って面白さが分かりづらいらしい。よく邦画・韓ドラのロマンス映画好きの会社の先輩からは、なにがおすすめかと聞かれて、その面白さを力説しても、「すぎちゃんはセンスが変わってるからな~~」といじられる始末。やかましい。私のセンスがおかしいわけではないのだ。

「どうせ殴って銃を撃つだけでしょ?」

そんなことはない。アクション映画にも傑作がある。それをどうやって伝えるか悶々としていたが、逆に傑作と言われる理由が面白さの秘訣なのでは、と考えたので、傑作の要素を洗い出してみた。

 

 

◆おかしな弾薬・火薬量

まずはこれ。火薬と弾丸は多いに限る。弾丸が多い=敵との乱闘が多い。アクション映画は乱闘してなんぼ、ド派手アクションが最大の見せ場である。乱闘には銃が付き物。銃がなくては乱闘は始まらない!そして弾丸が多いということは、それだけかっこいい銃が登場する可能性が高い。銃は最高。ガトリングやロケットランチャーの存在も忘れてはならない。手持ちの銃や敵から奪った手榴弾では満足しない奴らが持ち出すバランスブレイカー兵器だ。ランチャー系の武器は構えた姿がめちゃくちゃかっこよく、俳優たちの鍛えられた筋肉をより美しく見せる。もちろん威力も申し分なく、弾丸・爆炎マシマシ、死人もマシマシ。ロケランが出てくる映画にハズレはない

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美しいフォーム、肩の筋肉の隆起、殺意MAXのまなざしに審査員も満点を出す(『コマンドー』より)

こと火薬に関しては多ければ多いほど爆発が増えて画面が映える。鮮烈なオレンジがむさくるしいアクション映画をより熱くする。また、ハリウッドの爆破大帝こと、われらがマイケル・ベイ監督が「火薬量が増えるほど映画がヒットする」という火薬の法則を編み出した。なので爆炎は笑えるくらいあがる方がいい。

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昭和仮面ライダーの撮影のようなアクシデントに見舞われる爆破大帝マイケル・ベイはやはり最高である

 

弾丸量や火薬量は、トレーラー(予告編)を見れば一発で判断できるのがいい。本編を見なくても判断できる。映画ではないが、現在放送中の『魔進戦隊キラメイジャー』はオープニングだけで意味不明な量の爆発が起こるのですでに傑作だとわかる。問題のオープニングはこちら→https://www.youtube.com/watch?v=SdYufigJ6C0

何でオープニングだけでこんなに爆発させようと思ったんだ?!大丈夫か今年のスーパー戦隊!すでに不安だ!でもいいや!!派手でかっこいいし!!ファイア!!!!!

 

 

◆笑えるくらい人が死ぬ

不謹慎だが、アクション映画では人が死なねば意味がない。アーノルド・シュワルツェネッガー主演の伝説的映画、『コマンド―』では、支援に来た元上司が、がれきの中でシュワを探す部下に対して「奴が生きていれば死体が増える」と言っている。そういうことなのだ。築き上げた死体の数が勝者の証、傑作の証だ。そして火薬が多ければより人は死ぬので、やはり火薬は多い方がいい。

人がたくさん死ぬ映画として有名どころではジョン・ウィックシリーズ。おそらく「キル・カウント(人が死ぬ数)」がメジャーな映画用語として一般の皆様に知れ渡るきっかけとなった作品だ。頭のおかしくなった配給会社が前売り券に「キル・カウンター」を特典として付けて、ファンにジョンが殺した敵を数えさえた(ただしシリーズが続くにつれて、ただカウントを上げるためだけの殺しが行われているのには閉口する)。ちなみにGoogleで「ジョンウィック 字幕」と検索すると殺意に満ち満ちたセリフを言うジョンの画像がたくさん出てくるのでおすすめ。

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他人の愛犬を殺してはいけない、ということを教えてくれた。(『ジョン・ウィック:チャプター2』より)

「死ぬ人間の数なんて、見なきゃ分かんねーよ!」と思ったそこのあなた、安心してほしい。ハリウッド映画には3Sがいる。シュワルツェネッガー、スタローン、ステイサム。この三人のうちの誰かが出てたら大体の場合、ド派手な爆炎と共に大勢の人間が死ぬ。ジェラルド・バトラードウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサムの3Jが出演する映画もめっちゃ人が死ぬので安心して楽しめる。この5人が出てくる映画は大体傑作。というか、要するにステイサム

 

 

◆オーバーキル気味の主人公たち

では、どうしてそれだけの人間が彼らの手にかかって死んでいくのか。傑作映画に死人が多いのは主人公たちがリベンジマッチに挑んでいるからだ。娘が攫われた、大統領に殺害予告が来た、家族が殺された、「怪獣の王」の座を奪われた、故郷の惑星を破壊された、娘が近所のクソガキと揉めてその親と乱闘になったらそいつの親戚のマフィアに車を破壊された……男には、戦わねばならない時がある。「復讐の先には何もない」という人もいるだろう。否。ハリウッド(ボリウッド)映画では、復讐が必要なのだ。悪は正されねばならない。己の信念に基づき正義の拳を振るう姿は凛々しく、心が震える。

そしてリベンジマッチに燃える主人公たちは基本的に殺意が暴走して、敵をオーバーキルしがちなのだ。その殺意の高さは、ホラー映画の怪人の域にまで達する(例:「振り向けばステイサム」)。シュワの『プレデター』の「血が出るなら殺せるはずだ」はこのオーバーキルというサービス精神を見事に表現している。主人公補正で十分無敵なのに災害レベルの強さを誇るハリウッド(ボリウッド)の筋肉ダルマたちが本気になれば、敵の軍隊など20分のラストバトルがあれば壊滅できる。3Jの一角を担うジェラルド・バトラー主演の『エンド・オブ』シリーズでは、大統領の命を守るために主人公マイク・バニングが毎回テロリスト集団を壊滅させるのだが、初見の観客をドン引きさせるほどのいい殺しっぷりを見せてくれる。ナイフでめった刺しは基本、物陰が画面に映れば、突然柱から現れて大胆に鉄パイプで忍殺を決める。アップになるたび、ジュリーの瞳孔全開の血走った美しい血飛沫塗れの顔に震え上がる。終いにはテロリストの親玉の神経を逆撫でするために、電話でその弟の断末魔をお届けする親切さ。死に目に立ち会えない兄弟への粋な計らいである。

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大統領を狙うやつはただでは済まさぬというパッションの表出(『エンド・オブ・キングダム』より)

こういうタイプの主人公たちは大体、物語の中盤で、敵に自分の正体をあっさりとバラす。「そんな個人情報、ばらしていいの?」大丈夫、彼らは敵を必ず壊滅させるので、素性を明かしてもトラブルは起こりません。「冥途の土産に俺の名前を教えてやるよ」を地で行くスタイルは見習いたい。

 

 

 容赦なく自動車が破壊される

車は普通の映画ではただの移動手段だが、傑作では乗るだけでは飽き足らず、車への愛がカンストして破壊される。それはもう木っ端みじんに。跡形もなく。その壊されっぷりといえば、車大好きなので一瞬悲しくなるが、そのあとすぐにド派手な爆炎が上がるのですぐに持ち直す。車のある所に爆炎あり

車の破壊量でいえば『トランスフォーマー』シリーズ、『ワイルドスピード』シリーズが有名だ。『トランスフォーマー』の監督は、もちろんわれらが爆破大帝・マイケル・ベイ。それはもう信じられないくらい車が破壊される。高級車に対するためらいも容赦もない。爆破大帝の手にかかれば、どんな自動車や戦闘機も美しい最期を迎える。というかトランスフォーマーたちも破壊されるのでキルカウントも高い。余談だが、シリーズ第1作目の『トランスフォーマー』の制作にあたったILMVFXチーム、ほとんどがトランスフォーマーオタクだったため、『パイレーツ・オブ・カリビアン:ワールドエンド』のオファーを断って合流したとのこと。オタクたちが本気で作ったトランスフォーマーたちのアクション、ぜひ見ていただきたい。

 

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マイケル・ベイの『6アンダーグラウンド』に撮影に参加したスタッフの一言からも爆破大帝の凄さが分かる


そして車といえば『ワイルドスピード』シリーズ(個人的には"Fast&Furious"という原題のセンスがめっちゃ好き)。その被害総額と言ったら。「女は日めくりカレンダー」という名言があるが、ワイスピの世界では車が破壊されすぎて「車は日めくりカレンダー」状態である。あれだけ車いじりが好きなやつらが多いのに、大体の車がワンレースももたない。あと車のことをクッションか何かかと勘違いしている節がある。ぶっちゃけ車より人間の方が丈夫。

あと戦車や軍艦が出てくる映画も車がバンバン破壊されるし、爆発も多い。そして何より戦車と軍艦は映るだけで画面が引きしまる。戦車最高潜水艦最高。戦車の魅力はぜひ『T-34:レジェンドオブウォー』、軍艦の方は『バトルシップ』『ハンターキラー』を見て、知ってもらいたい。※T-34…世界大戦中のロシアの戦車

 

◆20分以内で脱獄する

我々が見ているのはアクション映画で、多くの場合、メインキャラはリベンジに燃えている。なので、収監されてる場合じゃねえ!一秒でも早くやつらのもとに行ってぶっ飛ばす!!そういうことなのだ。

 

◆最終決戦は脳筋特攻一択

最終決戦はどの映画でも見ていて手に汗握る。いよいよリベンジの時だ!容赦はしねえ!と主人公たちは敵地に乗り込むのだが、破壊に次ぐ破壊を繰り返してきたやつらはアドレナリンが全開なのか、最後の大一番で作戦をほとんど立てずに火薬と拳の特攻を決める。小賢しい作戦はいらない、自動車なり戦闘機なりでド派手に突っ込んで後は戦うのみ。最後に信じられるのは敵から奪った手榴弾と己の拳なのだ。

脳筋特攻映画といえば、『エクスペンダブルズ』シリーズ。3Sが勢ぞろいするお祭り映画で、傭兵部隊が世界を破壊して回るのだが、やってることがほとんどテロリストのそれ。メインキャラにあたる、バーニー・ロスとリー・クリスマスが軍服を着て歩けば半径10m以内で爆発が起こる。途中、展開が若干ややこしいが、最終的に敵の基地に爆炎を上げながら乗り込んで後は殴るのみ。これぞ最高の映画。途中がどんなにややこしくても、最後は「拳で!」とシンプルに敵を倒すのが非常に爽快なので、傑作には脳筋特攻は大事な要素だ。エクスペンダブルズといえば、中盤でステイサムのバイオレンスバスケ1on9が見れるので、その意味でもおすすめ。

 

あと脳筋特攻といえば『パシフィック・リム』シリーズも忘れてはならない。私の知っている中で一番やばい特攻の決め方をする。ロボット系の映画では最後は大技を決めてフィニッシュが大体のパターンだが、本作はまさかの「自爆」で敵を倒す。通常攻撃では敵を倒せない→この機体核燃料で動いてるし機体爆発(核爆発)させてぶっ飛ばそう!とはならない。ヤバすぎる。さすが世界の特撮オタク監督のギレルモ・デル・トロの作品だ。予想外すぎる。

 

書き始めると、ハゲが出てくるとか謎の自然と戯れるシーンがあるとか、細かいことがいっぱい出てくるが、大枠はこんな感じだ。これであなたも傑作アクション映画に出会えること間違いなし。

 

 

 

 

≪余談:私の思う傑作映画たち≫

T-34 :レジェンド・オブ・ウォー

・ウォーターワールド

・エクスペンダブルズ

・エンドオブキングダム

・エンドオブホワイトハウス

キングスマン:シークレット・サービス

ゴジラ:キング・オブ・モンスター

・コードネーム:アンクル

・コマンド―

ターミネーター2

デッドプール2

トランスフォーマー

トランスフォーマー:リベンジ

・トランスポーター

パシフィック・リム

バトルシップ

バトルフロント

・バーフバリ:伝説誕生

・バーフバリ:王の凱旋

パワーレンジャー

・ハンターキラー:潜航せよ

プレデター

・マガディーラ:勇者転生

マグニフィセント・セブン

・マッドマックス:怒りのデスロード

・メカニック

ランボー

ランボー怒りの脱出

ランボー最後の戦場

ワイルドスピード:アイスブレイク

ワイルドスピードスカイミッション

ワイルドスピードスーパーコンボ

ワイルドスピード:ユーロミッション

(名前順)

Dream Girls (邦題:ドリーム・ガールズ)

レビューアプリで「曲が好き!」「明るくて前向きになれる!」とかなりキラキラサクセスストーリーをほのめかすコメントがたくさん見受けられる『ドリーム・ガールズ』。気になって鑑賞してみた。

  

◆あらすじ

時代は1950〜60年代。合衆国では激しい黒人差別と公民権運動の時代である。

そんな時代にスターを目指した3人の黒人女性と一人の黒人男性の、ショービジネスの世界での闘争のストーリーである。なおここでは便宜上「白人」「黒人」というやや差別的な表現を用いている。

 

大まかなストーリーを箇条書きすると

・エフィ、ジーナ、ローレルの3人は、ショーレースで出会った車ディーラー・カーティスをマネージャー、エフィの兄のCCを作詞作曲担当に、ドリームスとして全米デビューを目指す。

・黒人人気シンガーのジミーのバックコーラスに抜擢されたドリームスは、黒人社会で人気を集めていく。

・ジミーの曲が白人男性シンガーに奪われる→カーティスがラジオ局を金で買収してジミーやガールズの曲を流す。

・エフィとカーティス、ローレルとジミーが不倫

・全米デビューのためにエフィをセンターから外して、美人のディーナをリードボーカルにする(この時エフィに対して、カーティスが「俺たち家族みんなの夢のために我慢してくれ」と意味不明な説得を行う」)。

・生まれ変わったドリームスは白人にも人気が出る→センターを取りたいエフィの自己中心的な態度が酷くなる。

・エフィを全員で追放→カーティスがジーナと結婚。

・カーティスの力でドリームス、特にジーナが全米で人気に。ハリウッドデビューも果たす。

・白人社交界のイベントでジミー、新生ドリームスがステージに立つ。ローレルと妻に対してどっちつかずな態度をとり続けたジミーは、ローレルに愛想を尽かされ自暴自棄になり始める。

・エフィはこっそりカーティスとの子どもを出産し、自己中な態度を改めてバーで歌うようになる。そんなエフィを応援しようと、CCは彼女のためにオリジナルソングを提供。

・事務所の歌手たちを所有物のように扱うカーティスは、遂にCCの曲を却下するようになる。妻のジーナに対しても高圧的で、出演する映画にまで口出しをする。

・エフィの歌が地元で徐々にヒットするようになると、カーティスがかつてと同じ手口でエフィの楽曲を自分のものにし、何も知らないジーナたちに歌わせる。

・結局社内で、エフィの歌を奪ったことがバレたことで、カーティスに対する不満がシンガーたちの中で一気に爆発。カーティスはCCやマネージャーなどを次々とクビにし、ジミーを自殺に追いやったことで、周りから急速に人がいなくなっていく。

・エフィの歌を歌っていたことを知ったジーナはエフィに謝罪したのち、カーティスの元から出ていく。その時、自分がどれだけ望んでも得られなかったカーティスとの子どもを、エフィは授かっていたと知る。

・エフィ、CC、マネージャーがカーティスを訴えることに。

・何もなくなったカーティスを掲げて、ドリームズが最後に解散ライブを開催。リードボーカルは念願のエフィ。テーマソングのDream Girlsを歌いながらファンとの最後の時間を過ごす……

 

・・・・

 

どこに「夢や希望があって、明日も頑張ろうと思える」要素があるねん。ミュージカル映画の皮をかぶった、ド級ヘビー黒人差別問題映画だった。


特に、「黒人」たちが、どのように「白人社会」で成功する/生き残るか、が描かれていた。その点において、カーティスとエフィは全く反対の行動、理念を持っている。


カーティスは黒人差別と戦うために「白人」と同じやり方(=奪う)を選び続ける。これは実際のあの時代の黒人エリートたちと同様の振る舞い。ジーナたちも含めて服装がどんどん「白人のそれ」になる。もちろん、白人社会で彼らが成功するためには、「黒人らしさ」も必要なので、「ビジネス黒人」のような感じになっている。


一方で、カーティスの元を離れたエフィは、自分らしくあること、自分であることを受け入れ、服装も民族衣装のようなものを着るようになっている。白人に迎合せず、マネをせず、自分(のアイデンティティ)を大切にしたのが、カーティスたちと対照的だ。自分のままで周りに受け入れてもらおうと決意したエフィのかっこよさたるや。カーティス、エフィを見習え。

(私がここまでしつこく人種差別の話をしているのは、実際作中に公民権運動の話が出てくるからです、悪しからず)

 

カーティスは差別を拒むあまり、自分が差別する側になってしまったようだ。「黒人」の「白人」化。あと総じてクソ。カーティスほんまクソ。そのあたりは観て確認してほしい。


 

それ以外のキャラクター、特に初期ドリームズの3人についてはちょっと書きたいことがあるのでメモ程度。

 

・エフィ

追放シーンがやばい。そんなにエフィって悪いことした?あと、そのシーンでのカーティスへの執着が怖い。もし、エフィがカーティスとの子どもを授かってなかったら、とんでもないホラーサスペンスになってたんじゃないか。

 

ジー

メインヒロイン面してるのに、人格がなさすぎる。ジーナからは激しい感情の迸りがないので、作中でも最初から最後まで所詮カーティスの飾りでしかない。

カーティスに子どもを生ませてもらえないのもそうだろう。カーティスからしたら、商売道具が2年使えないし、出産で体型が変わったら商売もできなくなる。カーティス、クソすぎる。

あと、エフィの歌を奪った時にもっと悔しがるのかと思ってた。平謝りで済まさせるな。

 

・ローレル

なんのために歌ってんのか一番わかんない。一番感情がないキャラクターだった。同情はする。


製作陣は、わざとこんな感じにしたんだろうか。謎だ。



明日からも頑張れるかどうかは分からないが、是非とも見てほしい。

 

SF作品とタイムリープ 

2年ほど前に"Butterfly Effect(邦題『バタフライ・エフェクト』、2004年)"を鑑賞したのだが、思い出しても「納得いかね〜〜!!!!」と思う。というより本作に限らず、タイムリープ系の作品では、どれもイマイチ納得いかないことが多い。

 

タイムリープ(とパラレルワールド)については、どの作品でもこの3つは基本ルールになるようだ。

・些細な行動、事象の違いで無数の「ifの世界(パラレルワールド)」が生まれる。

・それぞれの世界線同士が交わることは基本的にない。

・現在や未来を変えようとする主人公たちは、「彼らの望むif」へ世界を導くために過去のある時点へタイムリープし、「過去」と異なる行動をとることで新しい世界線を生み出す。

 

タイムリープ系作品で納得いかないのは3パターンある。

※なおここからは以下の作品の重大なネタバレを踏むことになる。

仮面ライダービルド

ドラゴンクエスト11

バタフライ・エフェクト

・アバウト・タイム

アベンジャーズ :エンドゲーム

 

 

パラレルワールド理論が成立していない

例えば「ドラえもん」。

21世紀を生きるセワシくんより「現在を変える」ことをミッションに、猫型ロボットのドラえもんは20 世紀までタイムトラベルしてきた。彼らの理屈では、「交通手段(=過去、のび太くんの人生)を変えても道に迷わなければ目的地(=望む未来、セワシくん)に辿り着く」である。

過去を変えて生活が良くなるとして、具体的にどのようにセワシくんの生活水準が上がっていくのか。世界一受けたい授業のアハ体験ムービーみたいに変わるわけない。アハどころの騒ぎではない。間違いなく、ご近所の皆様や知人友人から、何か危険な仕事を始めたと思われるだろう。

パラレル・ワールドの考え方でいけば、のび太くんが違う行動を選択した時点で、「セワシくんが貧乏な世界」とは別の世界線が生まれるはずだ。最初に会った「貧乏なセワシくん」は貧乏なままで、「別のセワシくん」が誕生しただけになるのではないだろうか。時々現れる「裕福になったセワシくん」は、「最初に会ったセワシくん」とは完全に別個体なのだ。よって、「ドラえもんを派遣した貧乏なセワシくん」が救われることはない。裕福になりたいなら将来自分が裕福になるよう頑張ってもらうしかない(ただし、家庭事情から考えると、彼が稼ぎのいい仕事に就くのは非常に困難だと想定される。セワシくん、強く生きてほしい)。

 

②世界改変のために別の世界線を犠牲にする、もしくは元の世界を見捨てる

世界改変系では一番多いのがこれだ。

例えば…

 

ドラゴンクエスト11

魔王ウルノーガとの戦いで死んでしまった仲間のベロニカが「死なない世界」を作るために、主人公がタイムリープする。ベロニカの命を救った後も、主人公は新たな現在に残り続けている。もともと生きていた世界は残るが、主人公がその世界から消えたことになる。

本当に好きな作品なのだが、どうしても「主人公だけが救済された」ことに納得がいかない。自分一人だけベロニカを助けた世界で生きているのだ。妹のセーニャ含む仲間たちは一生救われない。あんんまりだ。これが勇者のやることか。あとホメロスがウルノーガの手先になるのを止めるのは無茶だとして、死なない世界にもしてほしかった。

 

◆『バタフライ・エフェクト

幼馴染みのケイリーが悲惨な死に方をしなくていいように、主人公のエヴァンは彼女の不幸のきっかけになったいくつかの過去のポイントにタイムリープする。「現在」が変わるよう行動を取ると、ケイリー自身が死ぬことはなくなるが、その皺寄せが必ず何処かに現れる(誰かが死ぬ、友人のレニーが人殺しになる、エヴァンだけが不幸になる、ケイリーが別の形で不幸になる)。本作では、世界に起こる幸福と不幸の数は変えられないようだ。「ケイリーが自分と関わると不幸になる」という結論にたどり着いたエヴァンは、彼女との出会いの瞬間にタイムリープし、彼女に悪口を言う。そうして出来上がった新しい「現在」はでは、互いに二度と出会うことはなくても二人は幸せに暮らしていた。

綺麗なオチになっているが、納得は言っていない。

一つ目、最終的にエヴァンがケイリーの幸せな姿を確認していない。彼女の「新たな現在」での姿は、観客の我々しか知らない。もし不幸だったらどうするつもりだったのか。無責任だ。二つ目、皺寄せ理論が発動しているはずなので世界のどこかで不幸を被っている人がいる。これも無責任だ(ただし二人が出会わなかったことが不幸の皺寄せなら許す)。

三つ目、エヴァンは自分がとった行動とそこから生まれた結果から逃げ続けた。タイムリープをしては、「この世界でのケリーやみんなは幸せになれなかった」と別の可能性を求めてまたタイムリープをするエヴァン。よくよく考えれば、彼はたった1回しか行動を変えていない。きっかけの瞬間だけを変えて、あとは「その世界の現在」に進むだけ。無責任だ。エヴァンのやるべきことは、タイムリープではなく、ケイリーにしろレニーにしろ、目の前で苦しむ人たちに手を差し伸べることだったのでは?

(こんなに滅多打ちにしていても作品としては大好きです、特に陰惨な雰囲気が。)

 

◆”About Time(邦題『アバウト・タイム 愛おしい時間について』、2013年)”

タイムリープができる」という一族の特異体質を使って、主人公のティムが愛するメアリーや妹のキットカットなど、誰もが幸せになるよう過去を少しづつ変える。しかしタイムリープを使っても「父親のガン」をないと知ったティムは、時間を巻き戻しても避けることのできない運命もあると悟り、タイムリープをやめて毎日を大切に生きていく。

本作では、『バタフライ・エフェクト』のような大きな不幸が起こることはなく、些細な幸せのためにタイムリープが使用される。主人公の精神的な成熟度も本作の方が高く、「タイムリープをしない」という決断をしたティムは本当に素晴らしい。納得がいかないポイントはほぼないが、『バタフライ・エフェクト』で描かれた「皺寄せ」が本作では重要視されていないのが興味深い。

 

仮面ライダービルド

火星人エボルトにより破滅寸前の世界を救うために、主人公の桐生戦兎が「エボルトのいるこの世界(A)と、エボルトがそもそも存在しない世界(B)を合体させてエボルトの存在しない新たな世界(C)を作り出す」。(どのような力が働いて世界Cが創造されるのかは本編を見てほしい。)

タイムリープ作品ではないのだが、パラレルワールド関係なのでコメントしたい。これは「別の世界を犠牲にしたパターン」だ。最悪だ。全くの関係がない別世界を巻き添えにして、全く違う世界を創造したのだ。世界Aは破滅する運命にあったとしても、AとBの両方をなかったことにしてしまった。白羽の矢が立った世界Bが不憫というかなんというか。ほかに方法がなかったとはいえ、これで新世界の神などと名乗られても困る。

 

「周りを犠牲にする」パターン②の場合は、どうしても「主人公が現在から逃げた」というように見えてしまう(変える前の世界で生きていた人々を否定しているようにも捉えられる。)だから、タイムリープをやめてすべてを受け入れるという選択をした『アバウト・タイム』は本当によくできた作品に思える。

 

③最後にタイムリープのルールを破る

これは一番最悪のパターンだ。しかもまさか自分の愛した『The AVENGERS』シリーズ最終作の『~:ENDGAME』で起こるなんて…。何より許せないのは、一番信じていたスティーブ・ロジャースキャプテン・アメリカ)がルールを破ったことだ。

本作では、サノスにより消滅させられた宇宙の半分の生命をよみがえらせるために、過去に戻って奇跡を起こすインフィニティ・ストーンを集める。タイムリープするドラゴンボールだ。「現在」を絶対に変えないために、タイムリープした先で一瞬だけストーンを拝借するのがルールだ。もし過去が変わってしまったら「異なる現在」が生まれてしまう、ストーンの力でも生命をよみがえらせることは非常に困難になるためだ。サノスとの最終決戦を終えて無事に生命が蘇ったあと、スティーブはストーンを元の瞬間に戻しに行くことになる。しかし最後の一つを戻しに行ったきり帰ってこない。ブルース(ハルク)たちが心配していると、歳を重ねたスティーブがそこには座っていた。スティーブ・ロジャースという男は最後の最後にやらかした。タイムリープしたさきで、愛するペギー・カーターとの人生を歩むことを選んだのだ。あれだけ禁止されていた「過去の変更」を、最も高潔な精神を持っていたスティーブ・ロジャースが犯したのだ。

当時叶わなかったスティーブとペギーのダンスシーンは、映画の終わり方としては美しいかもしれないが、過去が変わってしまっているのになぜ「現在」に影響が出ていないのか?この過去改変に関しては公式から釈明が行われているが、矛盾が生じないよう考えられた理論が台無しだ。スコットおじさん(アントマン)に謝ってほしい。なにより決死の思いでストーンを集めサノスを倒したヒーローたちに対する裏切りでもある。信じられない。私はとても悲しい…。

(それでもエンドゲームもキャプテンアメリカも好きだ)

 

 

誰かタイムリープに矛盾がなく、主人公も責任のある行動を取れるタイムリープ系映画を教えて……。

 

 

LONDON Has Fallen ~めった刺しマイク・バニング~

LONDON Has Fallen(邦題:エンド・オブ・キングダム、以下LHF)を知っているだろうか。

 

LHFは「ハズ・フォールン」シリーズの2作目。

記念すべき第1作目はOLYMPUS Has Fallen(邦題:エンド・オブ・ホワイトハウス、以下OHF)

 

ジェラルド・バトラー(『300』の主人公レオニダス役のイケオジ)演じる主人公のマイク・バニングシークレットサービスとなってテロ攻撃から大統領を守るのが大筋。

1作目はホワイトハウスがテロで陥落。2作目ではロンドンが崩壊。数日前から本国で公開が始まった3作目のANGEL Has Fallenでは何が陥落するのだろう。

 

2作目LHFのあらすじは以下の通りだ。

 

・・・・

 

イギリスの首相が突然亡くなり、主要先進国の首脳たちが彼の葬儀のためにロンドンを訪問することに。アメリカのベンジャミン大統領のシークレットサービスであるマイク・バニングも大統領に同行してロンドンに降り立つ。

 

しかしすべてはシリアの富豪バルカウィ一家率いるテロ集団仕組まれた罠だった。

以前米軍からの襲撃を受けた際に娘を失ったことで先進国、特に合衆国を逆恨みしていた。テロ攻撃により次々と各国のリーダーたちを殺害し、ロンドンの街を破壊していく。

 

マイク・バニングは銃撃戦の中で何とか大統領と激戦地区を脱出。逃げ込んだチャリングクロス駅では伏兵たちとの戦闘中にバルカウィとの接触に成功し、彼らの目的が「ベンジャミン大統領を拉致監禁し、20時から大統領の処刑動画を世界中に生配信すること」(により西洋文明の支配体制を崩壊させること)であると告げられる。

 

町中敵だらけの中、ベンジャミンを連れて何とかMI6の隠れ家に辿りつき、職員のジャクリーンの助けで包囲された基地から脱出。しかし直後に襲撃されてベンジャミンがバルカウィたちに誘拐されてしまう。

果たしてマイク・バニングは20時までに大統領を救出できるのか。

 

・・・・

 

めちゃくちゃ要約すると、猛スピードで陥落するロンドンをマイク・鬼畜・バニングが大統領と暴走しながらトップスピードでテロ集団を壊滅させる

 

この映画、何と言ってもマイク・バニングがあまりに容赦がない。

 

作中の火薬の量もおかしいが、それ以上に敵を信じられないくらい敵を痛めつけて殺す。銃を持てば必要以上に相手に撃ちこみ、ナイフを持てば敵をめった刺しにし、武器がなければ執拗に殴る。容赦なさすぎる。1作目を観たとき普通に引いた。

LHFでは慣れてしまってむしろ爆笑した。

 

チャリングクロス駅での戦闘では、バルカウィ一家の長男カムランとの電話で彼の弟の首を絞めて断末魔の叫びを聞かせている。

電話を切った後に大統領に「殺す必要があったか?」とと聞かれて”No.”と即答するマイク・バニング、あまりにも鬼畜である。

 

シリーズを通してマイク・バニングに持たせてはいけない武器No.1は間違いなくナイフ。実際にマイク・バニングのお気に入りの武器でもあるようだ。

警官に扮装したテロリストを急襲した(演出的には画面に映る警官が突然マイク・バニングにバットで殴られる、ひどすぎ)際には、銃や爆弾などテロリストが持っていた武器を奪いながらマイク・バニングは鬼の形相で「ナイフがない!」と叫んでいる。

こ・わ・い

 

一番怖いのは敵にすぐに本名をばらすところ。

シークレットサービスなのに素性明かすな。

これは明かしたところで俺が壊滅させるから問題ないという自信からの言動なのだろう。冥途の土産に俺の名前を教えてやるよってこと。むしろ命はないと思えってことなのかもしれない。

 

さすがマイク・鬼畜・バニング

 

・・・・

 

マイク・バニングは鬼畜だが、口を開けば男前である。

特に主人(?)であるベンジャミンに対しては男前発言が留まるところを知らない。口説いてんじゃないのかと思う。

 

たとえば、

 

さっきの警官を急襲したシーン。マイクはベンに向かってこう言い放つ。

”The Only Person You Trust Now is Me, OK?”

字幕では「(見方だとわかるまで誰であれテロリストだ、)今信用できるのは俺だけだ」となっている。マイク・バニング、男前すぎやしないか…。

 

他にも、バルカウィに誘拐・監禁されたベンジャミンの居場所を突き止めたデルタフォースに戻るように指示されるシーン。

マイク・鬼畜・バニングの男前語録はこちら。

 

「俺を殺すか一緒に来るか、選択肢はほかにない」

「何回大統領を救った?」

 

シークレットサービスといえど大統領のこと好きすぎやしないか。

こわ。

 

でもそんなマイク・バニングが好きだ。

AHF、早く日本でも公開してくれ。

 

 

HUNTER KILLER ~Dive!Dive!ウラ・アーカンソー!~

今年ももう8月という新作公開のピークが終わろうとしている。

「大当たりだった!」と大騒ぎした割にまったくきちんと記録していないのが「HUNTER KILLER(邦題:ハンターキラー ~潜航せよ~」。ついに先日DVDリリースされたので是非見てもらいたい。

 

 

◆あらすじ

突然信号が消えたアメリカの潜水艦USSタンパベイ。その謎を追うためフィスク海軍少将の命により、ジョー・グラスを艦長に潜水艦(Hunter Killer)USSアーカンソーはロシア領海に向けて潜行を開始。

 

またフィスクはタンパベイの沈没にはロシアで何かが起こっていると考え、極秘裏でネイビーシールズ(海軍特殊部隊)のビーマン隊をロシアのポリャルヌイ基地に派遣する。

 

・・・・

 

その頃アーカンソーはタンパベイを襲撃したと思われていたロシア艦コーニクを発見。こちらも沈没しているが、内部から爆発している痕跡からグラス艦長はコーニク沈没に疑問を持つ。

また救難信号を受けて、グラス艦長は処分覚悟でキャプテン・アンドロポフ始めコーニク乗組員を救出。

 

ビーマン隊の偵察により、ロシアのドゥーロフ軍部大臣がロシア大統領ザカリンを拘束し、クーデターに成功するところを目撃。

(ドゥーロフは全権を掌握して第三次世界大戦を開始しようとしている)

これを受けてアーカンソーとビーマン隊による共同作戦が開始。ビーマン隊がザカリンを救出し、アーカンソーで安全地帯まで護送する。アーカンソーアンドロポフの案内のもと罠だらけのポリャルヌイ基地に向かう。

 

果たしてザカリンを救出し、第三次大戦を阻止することが出来るのか。

行け!俺たちのアーカンソー!!

ウラ!アーカンソー!!!!!!!

アーカンソー万歳)

 

・・・・

 

 

どうでもいいけど私が個人的にノートに取っている鑑賞記録でも必ず大まかにでもあらすじを記録している。これがないと「…なんの映画だっけ?」となってしまう作品が多いから。特にB級。

 

 

今年のお祭り映画3選の1つ。残りはゴジラとワイスピスーパーコンボ

 

ストーリーは分かりやすくシンプル。

その分、潜水艦とネイビー・シールズのかっこよさを余すとこなく観客に見せつけている。

それこそ無駄がない。最高。

ミリオタ(ミリタリー・オタク)にはたまらない。

 

 

◆雑なメイン人物紹介

⑴USSアーカンソー関係

・ジョー・グラス艦長:胸熱演説と迷セリフ以外話さない。作中初登場シーンがまさかの雪山での鹿狩り。俳優は我らがジェラルド・バトラー

エドワーズ副艦長:グラス艦長とは育ちが違う石頭軍人。

キャプテン・アンドロポフ:ロシア艦コーニクの艦長。アーカンソーに救出される。"I Can’t Speak English."コイントスが可愛い。

 

NAVY SEALs(海軍特殊部隊)

・ビル・ビーマン隊長:常にキレてるイケオジ。ホール曰く「短気・爆発・激怒の3点セット」。危険な任務を請け負うと最高に笑顔。

・マルティネッリ:新人スナイパー。彼女の写真を出すなど死亡フラグをやたら立てる。

・ホール:平井堅似のヒゲのイケメン。作中トップクラスに口が悪い。隊長の悪口言うのこいつくらい。

・ジョンストン:面倒見のいいヒゲのイケメン。悲しいくらいセリフが少ない。

 

アメリカ海軍本部関係

・フィスク海軍少将:鹿狩り中のジョー・グラスをアーカンソーに送り込んだ。

・ジェーン:NSA国家安全保障局)局員。学校行事から直行して来た。

・ドネガン統合参謀本部議長:ヒステリック。血の気が多くやたら軍艦をロシアに送りたがる。

・ドーヴァー大統領:聡明。

 

⑷ロシア・ポリャルヌイ基地関係

・ザカリン大統領:出てくるアメリカ海兵から軒並み嫌われている。

・オレグ:ザカリンのSP。男前ハゲ。

・ドゥーロフ軍部大臣:クーデターを画策するクレイジー大臣。

 

⑸兵器関連

・USSアーカンソーアメリカ所属のバージニア原子力潜水艦。「ハンターキラー」とも呼ばれている。艦長はジョー・グラス。

・USSアーカンソーアメリカ所属の原子力潜水艦。突然敵襲を受けて消息を断つ。

・コーニク:ロシア所属のアクラ級原子力潜水艦。内部爆発により撃沈。艦長はセルゲイ・アンドロポフ。

・無名:ロシア所属のアクラ級原子力潜水艦。USSタンパベイを撃墜。アーカンソーと交戦するが撃沈される。

駆逐艦ヤヴチェンコ:ロシア所属の戦闘艦。艦長以外の乗組員はアンドロポフに指導されていて非常に優秀。

 

 

 

 

◆ここが良かったハンターキラー①

:見せつけられる製作陣の潜水艦愛

 

魚雷とミサイルと機関銃の嵐もすごいけど、やたらに潜水艦、駆逐艦の映像が多い。どんだけ見せるねん。主人公のグラス艦長演じるジェラルド・バトラーよりも潜水艦のシーンが多い気がする。

エンドロールも一般的な後日談的映像ではなく、ずっと潜水艦の映像。

製作陣の潜水艦愛が伝わってくる。

「かっこいいよな!潜水艦!!!」

 

どう考えても発射管室(魚雷を装填する部屋)の映像とシーンはそんなにいらない。

需要が低すぎる。DVD特典のメイキングではわざわざ2部構成にしてまで潜水艦内の話をしている。執念よ。製作陣は「リアルさの追及」と言っていたが、間違いなくそれ以外のパッションを感じる。ちなみに音声解説でもきっちり潜水艦の話をしている。

 

極め付けは公式サイトでUSSアーカンソーを操作できる。誰がやるねん(やった)。需要が低すぎる。

問題の公式サイトはこちら。

https://www.hunterkiller.movie/

 

そんな需要が低すぎるものを莫大な資金を投資して制作されたハンターキラーは最高。

 

 

◆ここが良かったハンターキラー②

:キャッチーすぎる名セリフ・名シーン

 

・斜め45度潜行

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「斜め45度潜行」

ハンターキラーといえば開始17分で登場するこのシーン。潜水艦を斜め45度にして潜行するのだが、この時の"Dive!Dive!(潜行!潜行!)"の掛け声にあわせて、乗組員たちが逆マイケルジャクソンを見せてくれる。

 

・グラス艦長「子どもの頃爆竹で遊ばなかったか?」

エドワーズ副艦長「艦長とは育ちが違うので…」

ロシア艦コーニクの爆発痕を分析するシーン。グラス艦長が「装甲が外側にめくれているのは内部から爆発したからだ」とエドワーズ副艦長に説明する際に、缶に爆竹詰めて爆発させた時と同じだと言う。

 

いやいやどんな遊びしてるんですか艦長。

どんな子ども?危なすぎない?

逆にお育ちがいいですね

 

・グラス艦長"Hurrah, Arkansas!(アーカンソー万歳!)"

船員"Hurrah!!"

ザカリン大統領救出作戦開始でグラス艦長が士気を鼓舞するシーン。

これ以上の言葉はいらない。

ウラ!アーカンソー!!!

 

 

◆ここが良かったハンターキラー③

君は誰と死地へ向かう?最高のリーダーたち

なんと言ってもどの部隊もリーダーが最高。観客は上司選び放題。

 

・ジョー・グラス艦長

兵学校を出ていない叩き上げなので、誰よりも乗組員の気持ち、モチベーションを理解している。グラスは乗組員を招集し出航準備よ際には船内のほぼ全域=乗組員の様子を見ている。艦長は「雲の上の人」=普段関わることがないエリートと認識している乗組員が多い中で、グラス艦長はなるべく同じ視点を維持しようとしている。

そのため兵士の士気を高めるのもうまい。作中何度か演説シーンがあるが、めちゃくちゃアツい。

賢明な判断力と高い決断力を持っている。軍法会議もののコーニク乗組員救出は結果として第三次大戦阻止のキーとなった。

そして人を信じることが出来るのもグラス艦長の強みである。敵味方関係なく信じる。人たらしとも言えるかもしれない。演説力も相まっている気がする。

 

・キャプテン・アンドロポフ

どんな状況でも自分の兵士を大事にしている。コーニクが沈没した際、船員を見捨てることなく一緒に生き延びている。

自分が育てた兵士には特に思い入れがあるようで、教え子である駆逐艦ヤヴチェンコの乗組員全員の名前を覚えていた。彼らの忠実さからも、非常に人望が厚く優秀な指導者であることが分かる。

グラス艦長の説得に応じるなど情にもあつい。グラス艦長との別れの際にはちょっと下手なコイントスを披露しており、お茶目な一面も兼ね備えている。

 

・ビル・ビーマン隊長

任務には忠実でめちゃくちゃキレるが部下を見捨てることはしない。作戦中に部下3人をことごとく失うが「作戦のために切り捨てる」というそぶりは全くない。まじで。

ジョンストンには「早く潜れ!」と繰り返し命令している。足を負傷し別行動をさせることになったマルティネッリには、「成功して俺が生きていたら助けにきてやる」と言い、本当に助けに戻る。

惚れる。

そして強い。隊の中で一人だけおそらく重傷を負うことなく生還している。もちろん肝も座っている。グラス艦長がスカウトするレベル。

 

 

 

◆その他メモ

・グラス艦長がキャプテン・アンドロポフに言う「爆発は内部(Insideout)で起こっている」…これってクーデターも指してるよね?

 

 

ワーナー・モンスター・バースについて本気で考えてみた GODZILLA: King of the Monsters

ゴジラKOM

最初は全く観に行くつもりはなかった

しかしあんなトレーラーを見せられたら観にいくしかない

怪獣おまつり映画、まさに祭り

特撮大好きキッズの血が騒ぐ

 

ということで観てきたのだが…

 

やばい作品だった

何がどうやばかったのか簡単に4つ説明するなら

①怪獣(タイタン)たちがあまりに美しい。特にゴジラが神々しい。

②歴代作品のネタがありえないくらい出てくる

③メインの登場人物の全員がゴジラや怪獣という新手の新興宗教の信者

④そして私含め熱狂的なファンも信者のため、作中の人物たちや展開のヤバさに気付かない

 

①と②については詳しくは触れないでおく。面倒だから。①のビジュアルなんかはもう読者諸君が自身の目で確認してほしい。まじで怪獣が美しい。個人的には赤いゴジラが一番かっこよかった。

 

③についてはガチでヤバかった。

・マーク:アンチだったのに狂信者たちによる洗脳で信者となる。5年前のゴジラの事故で息子を失ったのに最終的にゴジラと心を通わせ、一度死んだゴジラを復活させる。

・エマ:タイタン教信者。死んだ息子のためと言いながら怪獣(タイタン)たちを目覚めさせて人類の粛正を図る。そのくせ標的都市の市民は避難させるし、人類は存続すると信じて疑わない。

・芹沢博士(ケン・ワタナベ):ペットになりたい圧倒的ゴジラ狂信者もといゴジラ教の教祖。ゴジラのためなら核兵器で死ねる。大災害レベルの怪獣が17体も存在しているのを知っていながら滅ぼす意思がない。

・チェン博士:モスラ狂信者かつ強火芹沢坦。モスラ登場のシーンでは完全にトランス状態に陥っている。第2の芹沢。

・サム:ゴジラ教信者で芹沢担。芹沢の研究ノートを形見として受け取り次期教祖となる。

・その他モナークのみなさん:ゴジラ含む怪獣との共存が可能だと信じて疑わない。5年前の被害をどう飲み込めばその結論にたどり着くのか。新規怪獣の登場の際はもれなく恍惚とする。

・アラン:終末論信者。人類の粛正ができるならキング・ギドラが暴走してもかまわない。

・ドハティ監督:KOMのゴジラ教のすべての元凶にして手の付けられないゴジラオタク。ゴジラ愛が暴走して登場人物全員を狂気の思考回路の持ち主にした。

 

ほんとやばい。いい意味でも悪い意味でも。

全員なんでその選択をしたの。

わたし怖い。

でも見ている間は全く気づかなかった。

 

そうなのだ。

④にもあるようにゴジラ好きには観賞中に何の違和感もなかったのだ。

ゴジラを倒そうとする軍部に対しては芹沢博士の共存論に賛同し、ゴジラたちに向けて発射されたオキシジェン・デストロイヤには憤り、ゴジラ復活のために核兵器を使用することにも疑問を持たない。

 

ヤバい

本当にやばい

知らない間に入信しているのだ

 

でも面白いんだよな~~~~

 

・・・・

もともとこの記事を書いたのには記録じゃない別の理由がある。タイトルにもあるようにモンスター・ユニバースを自分なりに考えるためだ。

 

ワーナー・モンスター・バースは現在3作品が公開されている。GODZILLA、KONG:Skull Islandに今回のKOM。モスラちゃん死にましたけどこれからどうするんですか…。

(ドハティ監督はゴジラ×モスラというカップルを爆誕させただけでも十分やばいオタクだが、死別エンドをチョイスしたところにガチ感があってますますやばい)

怪獣の王となったゴジラに対して次回作では恐らくキング・コングが反旗を翻すことになるだろう。ごますりクソバードことラドンも「そうだそうだ」と言っています。

 

が。

 

キング・コング、マジでゴジラ倒せないんじゃない?ゴジラ口からビーム出すし放射線撒き散らしてるしオキシジェン・デストロイヤ喰らっても死なないし。たぶん倒せない。

ていうかキング・コングに倒されるゴジラの姿は見たくない。


どうなるんですかね!


あと本編にチラチラ出てきたキモい虫やマンモス。いや、マンモス。祭にも程がある


なんかうっかり「ジュラシックワールド」合流しないかな…しないですか……見たかったな………ゴジラティラノサウルスが取っ組み合うところ見たいやん…


あとデナイト監督が交渉を続ける「パシフィック・リム」シリーズの合流については、してほしい気持ちとしなくてもいい気持ちがせめぎ合う。たしかにKAIJUとイェーガーの戦闘を見てるとゴジラと戦ったどうなる…?!とワクワクするんだけど、サイズ感が負けてるし互角に渡り合えるのかも不安。何よりイェーガーの十八番「ラストバトルで自爆(核爆発)」をされると色々困る。


やっぱり合流はなし。


ハンターキラーは合流してくれ。潜行せよ。

アーカンソー万歳!!!!

 

 

強すぎキャプテン・マーベル 〜ツーブロは惚れてまうやろ〜

エンドゲームの感想でよく聞くのは

「いやキャプテン・マーベル強すぎwwwチートやん一人でサノス倒せるやんwwwwwwwwwww」

 

本当にそう思います?

 

本当にキャロルがチートだと?

 

 

私はソーとスカーレット・ウィッチ、ドクター・ストレンジ、ブラック・パンサーの方がチートだと思う

ソーはラグナロクの時点でもう大量(?)の雷を身に纏い自在に操れる、というかそもそも神だわ、バランスブレイカー甚だしい

スカーレット・ウィッチはテレキネシスとマインドコントロール

ドクター・ストレンジは魔法(魔法陣で殴って縛るよ)に加えて時間、空間操作が出来る

ブラック・パンサーは受けた攻撃のエネルギーをスーツに蓄積して自分のエネルギーにできる

 

キャロルは今のところエネルギーを使って高速移動するくらい

キャプテン・マーベルでの戦闘の記憶が薄いので間違ってたらすみません)

どう考えても上の方々の方が強い

 

何がそんなにキャロルを強く見せたのか?

 

 

それは精神力の一択だと思う

 

エンドゲームの作中で、何度もサノスがインフィニティ・ストーンの力を使いそうになる瞬間があった

しかし何度も阻止された

 

そのほとんどはキャプテン・マーベルが止めている

しかもずっとキレてる(さすがキャロル)

 

怒ってるのはどのヒーローも同じなのに、何がキャロルにそこまでさせるのか

思い当たったのは、「ヒーローのいない場所で人助けをしていた」ということ

 

単独作のキャプテン・マーベルのエンディングで、キャロルは宇宙の人々を救うために一人で宇宙に飛び立っていく。すでにすごいんですがね。

どうでもいいけど多分ジュード・ロウ演じるヨン・ロッグはあのあとキャロルへの想いで日夜ポエム綴ってると思う。大体、記憶を無くした異星人の女性を手名付けるために自分の血を相手の体内に流す?やばいよ〜〜クレイジーだよ〜〜〜〜。キャロルに負けて子犬というかメスになってたから拗らせてポエム書いててもおかしくない

 

 

話が逸れた

 

そう、この20年ほどの間に一人で宇宙を救っていたのだ(すごい)

そこにサノスの宇宙半分計画である

他のヒーローたちの比ではない

たくさんの大切な人たちを失っている

 

喪失感も怒りも、エンドゲームの本編に描かれることはなかったが、登場ヒーローの中で一番大きな感情を抱えていると思う

 

それでもソーのように怒りに任せ目先の勝利にしがみつくわけでも、トニーのように敗北への喪失感に浸るわけでもなく、腐らずに5年経っても戦い続けている

強い

理性的という言葉ではないんだけど、強い

 

諦めない心って言うのだろうか

 

先述のサノスの阻止が本当に印象的だった

ソーやアイアンマン、キャプテン・アメリカまでもが吹っ飛ばされ、サノスがストーンを使おうとしても、キャプテン・マーベルは立ち上がりガントレットを取り返そうとする

キャロルが諦める姿、一度も描写されなかった

 

 

エンドゲームが終わってから、何度「インフィニティ・ウォーの時点でキャプテン・マーベルがいたら…」と思ったことか

どんなに苦しい状況でも、諦めないキャロルの姿はまさに希望

トニーが宇宙空間に漂う中で初めて見た「強い光(=希望)」もキャプテン・マーベルだったしね

 

キャプテン・アメリカが真の正義の体現者とはよく言うが、もしかするとキャプテン・マーベルアベンジャーズの中で希望の象徴だったのかもしれない

 

 

この記事を書いて改めてキャプテン・マーベルもといキャロル・ダンバースが好きになった

キャロル好きでよかった〜〜〜〜

髪型真似して良かった〜〜〜〜〜〜〜〜